オーガニックな暮らし、していますか。
オーガニックが好きな人も、まだよくわかっていないけど興味があるという人も、オーガニックをもっとよく知ることで、あなたらしい目利きができるようになるはず!
オーガニックってそもそも何なのか、その魅力を掘り下げてみたいと思います。
「オーガニック」という言葉が指すもの
オーガニックという言葉の持つイメージって何でしょうか。
「地球に優しそう」「ちょっと高い」「体に良さそう」「オーガニックの表記があれば間違いない」など色々あると思います。
そこで「Organic/オーガニック」を調べてみると「有機」「有機栽培」と出てきます。
つまり農薬や化学肥料に頼らず土壌の力を引き出し、自然環境への負担をできる限り少なくする農法や、それらで作られた農作物のこともオーガニックと呼んでいます。
オーガニックの栽培方法は自然の循環システムを守り、人にも地球にも優しいのが特徴です。
また今では農法や農作物だけでなく、コスメやファッションまたライフスタイルにおいて地球環境を考慮した、システム全般を表す代名詞のようにもなっていますよね。
オーガニック≠無添加、無農薬
勘違いされがちですが、オーガニック食品は必ずしも無添加、無農薬で作られたものではありません。
例えばオーガニックと表記のあるワインは、オーガニック栽培のぶどうが使われていますが、ほとんどに「酸化防止剤(亜硫酸)」という食品添加物が入っています。
ただこの亜硫酸はワインの製造工程で自然に発生するものらしく、「酸化防止剤(亜硫酸)」無添加はあるけれど含有量ゼロのワインは存在しないと言えるそう。
最近ではスーパーマーケットで、1,000円にも満たない安価な「酸化防止剤(亜硫酸)」無添加のワインが見つかりますよね。
私も最初は「やったー!」と思い購入しましたが、その安過ぎる値段に疑問がありました。そして飲んでみるとやたらと甘い…!
調べてみるとメーカーや商品にもよりますが、その製法は果汁を冷凍保存して輸送、参加を食い止めるための加熱殺菌処理、亜硫酸の生成量の少ない培養酵母の使用、発酵を止めるための目の細かいフィルターで酵母を取り除くという、全プロセスを経て作られています。
発酵によって生じるはずの甘みや酸味なども、人工的に添加しているというのだから驚きです!
自然の旨味を感じられるはずのものが、なぜあれほどあまったるかったのか、値段が安かったのかの理由がわかりました。
本当に素材の味を引き出し、伝統製法で作られているものはそれなりの値段がしますから。
本題と少しずれましたが、「オーガニック」と表記があるだけで「全部マル」としていいのかどうか、消費者がそれぞれ考えて選びたいものですね。
数字での定義はない!?
意外に思うかもしれませんが、オーガニック商品には数字による定義はないようです。つまり農薬が○以下のもののみ、などと言った基準がないということ。
そのもう少し詳しい定義については、認証システムの記事でより詳しくご紹介する予定です。
オーガニックの4原則
1972年にパリ近郊で設立された「IFORM(国際有機農業運動連盟)」は、オーガニックについて4つの原則を設けました。
それが「生態系」「健康」「公正」「配慮」です。
それらをひとつずつ見ていきましょう。
※上部は引用、下部は私個人の解釈です
生態系
「有機農業は、生態系とその循環に基づくものであり、それらと共に働き、学び合い、それらの維持を助けるものであるべきである。」
オーガニック農業は、生態系や循環に沿ってこそ成立するもので、お互いがその成り立ちをサポートし合い維持し続けることが大切だと言っていますね。
簡易で便利な生活や経済活動を重視し過ぎるなど、どこかに過剰な負担がかかって偏りや歪みが出るようでは、生態系は自然なあり方で維持し続けることが難しくなるはず。
健康
「有機農業は、土、植物、動物、人、そして地球の健康を個別別々に分けては考えられないものと認識し、これを維持し、助長すべきである。」
ワンネスですよね!地球やそこに生きる存在の健康は、影響し合っているということでしょうか。オーガニックに関わる全ての命を個別に考えず、それぞれを維持しサポートし合うべきという考えは素敵です。
公正
「有機農業は、共有環境と生存の機会に関して、公正さを確かなものとする相互関係を構築すべきである。」
フェアトレードなどの仕組みに見えるように、オーガニックに関わる人たちが分け隔てなくフェア(公正/平等)な関係であること。人だけではなく動物にも優しい仕組み作りにも注力されていますよね。
配慮
「有機農業は、現世代と次世代の健康、幸福、環境を守るため、予防的かつ責任ある方法で管理されるべきである。」
オーガニックという概念が目指す世界の「軸」ともいえる考え方。
オーガニックで良いとされる昔からのやり方以外は排除する、という極端な考えではなく、もちろんオーガニック産業も進化することが大前提。その中で開発される技術や製法などが、人々の幸せや健康の水準を著しく落とさないことが重要とされています。
進化の過程で、このままいくとより多くの人が幸せになれるかな、これは前向きな進化かなと常に配慮しながら進んでいくということでしょうね。
それに配慮があれば、それこそ公正も生態系のバランスも健康も大きく欠如することにはなりようがないですから。
オーガニックを暮らしに取り入れると
オーガニックな選択を日常に取り込み始めると、どのような変化が起きるでしょうか。
よく聞くのが「本物志向になる」「素材そのものの味に感謝できるようになった」「体が軽く感じる」「風邪を引きにくくなった」などという声。
それまでの生活とのコントラスト(差)で、感じ方は人によって違うと思いますが少なくとも前向きな体験をされている人が多いようですね。
今まで無意識に取り込んでいた食品添加物や、過剰な味付けにも敏感になるでしょうし、体がシンプルなものを喜べるようになり結果、体の中もクリーンになっていくイメージでしょうか。
また、オーガニックの商品を選ぶことで、農家さんや生産者さんに還元されますし同時に応援になります。そうしてさらに素晴らしい商品が生まれて、消費者に回ってくることになります。つまり、ハッピーな循環が生まれるのですね!
もちろん栽培や製造過程において、自然環境負荷が少なく、地球に優しいのも嬉しいポイントです。
最後に
そもそもオーガニックって何かということを、掘り下げてご紹介しました。
「オーガニック」「無添加」「天然」などと耳障りだけで選ぶのではなく、その言葉の意図を知って買い物ができる消費者が増えることを目指したい。
するとオーガニック産業も盛り上がり、より多くの店でさらに安価で手に入りやすくなるのでは、と期待しています。
この混沌とした時代だからこそ、本当に体に優しいものや自分で選ぶ「目利き力」が、私たちを救ってくれると思うのです。
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