コンビニでもできるフードロス対策、フードドライブをもっと身近に

フードドライブ ゼロウェイスト

フードドライブ(フードバンク)とは、まだ食べられる食品を、それらを必要としているところに循環させること、その活動を指します。

現在、「食品ロス」「フードロス」の認知度は、年々増加傾向にあり、消費者庁による調査によると食品ロスを減らす取り組みとして最も多い67.4%が「残さず食べる」と回答。人々の意識の高まりに比例して、日本はもちろん世界的にフードロス対策への取り組みが加速しています。

フードドライブもまた、フードロス対策のひとつとして知っておきたい取り組みのひとつです。

フードドライブ/フードバンクとは

フードドライブ

フードドライブとは、まだ安心して食べられるにもかかわらずさまざまな理由で破棄されてしまう食品を、それらを必要としている団体や施設、家庭に届ける活動やその組織を指します。

食品はパッケージの小さな傷や印字ミスで流通できないものや、農家なら形が規格外である、また過剰に作り過ぎたケース、また家庭で余っているものが寄付される場合などがあります。

そして障害者福祉施設や児童養護施設、生活困窮者支援団体、ホームレスの支援施設、シェルター、子ども食堂など支援を必要とする場所が配布先となります。

日本と貧困問題

フードドライブ

先進国のひとつである日本。ですが近年、所得格差は徐々に開きが出ています。
実際に日本では「相対的貧困」という指標が、世界の先進国が加入する「OECD(経済協力開発機構)」諸国の平均と比べ高くなっているのが現状です。

「相対的貧困」とは「世帯の所得がその国の等価可処分所得(手取り収入を世帯人数の平方根で割って調整した額)の中央値の半分(貧困線)に満たない人々の割合」とOECDにより定義されています。つまり「その国の文化や生活水準と比較して困窮しているかどうか」で判断されます。

2018年には15.7%、つまり約6人にひとりが「相対的貧困」ということに。
これは日米欧の主要国(G7)の中でも、アメリカに次いでワースト2位。このように数字で見ると、日本においての貧困が一気に信ぴょう性を増しますね。

フードドライブのはじまり

フードドライブ

フードバンクは1967年、アメリカで始まりました。そこからフランス、カナダ、イギリス、オーストラリアなど世界に広がりました。アメリカにおいてフードドライブの活動は活発で、現在は200以上のフードバンク団体が活動しています。

日本でフードバンクがスタートしたのは2002年頃。ただ、食品ロスや貧困というフードバンクが生まれた背景の問題への認知があまりされていないため、活動自体も浸透していないようですね。

近年になり、SGDsが世間的にも浸透してきたことで、フードロス対策の一環としてフードドライブ/フードバンクの取り組みが少しずつ注目され始めています。日本には120を超えるフードバンクの団体があります(2021年調べ)。

フードドライブのメリット

フードドライブ

フードバンクに参加することは支援を受ける人のみならず、ボランティア活動として参加する側、寄付する側、さらには行政にとってもメリットがあります。関わる人それぞれにメリットがあることがフードドライブが「三方良し」と表現される理由です。

支援を受ける場合

フードバンクで食品を受け取ることで、家庭では食費の節約になることはもちろん食卓が豊かになり、さまざまな支援施設では浮いたお金を別の活動に回すことができるなどのメリットがあります。なにより家庭でも施設においても心にゆとりが生まれるため、笑顔が増えるといった声も。

支援をする場合

寄付をする側にとっては廃棄する予定だった食品が、誰かの元へ届けられ喜ばれるなら喜ばしいことですよね。また寄付することでフードロス削減につながります。

さらに食材を必要な人や団体に届ける橋渡しの役割を担うボランティアは、なにより社会貢献を通してやりがいを感じる人が多いのだとか。しかもさまざまな背景のある人々と接することで、学校や会社ではできない経験や気づきを得ることになるでしょう。

企業や行政にとっては

企業側は作ったものを無駄にすることなく、食品の廃棄コストの削減などのメリットが。行政にとっても食品ロス対策、福祉予算や環境負荷の削減、さらにフードバンクを通して人々が交流するので地域活性化につながることも、メリットのひとつではないでしょうか。

フードドライブに参加するなら

フードドライブを実施しているのは学校やスーパーマーケット、区役所などさまざま。企業や団体が職場やイベントでフードドライブを実施、食品を回収するケースもあります。
各自治体で取り組んでいる場合、公式ホームページで実施場所を掲載しているのでまずは住んでいる地域のホームページを確認してみては。

対象商品・喜ばれる食品とは

お歳暮やお中元などもらいもので使わないものは、新品なうえ高価なものも多く、まさにフードバンクにピッタリ!ちなみに野菜や魚など開けてすぐ食べられる缶詰は、それだけで一品のおかずとなるので喜ばれるそうですよ。

【喜ばれる食品】

  • 缶詰、フリーズドライ食品、レトルト食品
  • 調味料各種
  • 飲料(ジュース、コーヒー、紅茶等)
  • お米、パスタ

【対象商品 】

  • 常温保存
  • 未開封・包装が破損していない
  • 賞味期限まで一ヶ月以上
  • 商品説明が日本語表記

※各自治体や団体に要確認

参加できる活動拠点やサービス

自治体以外では、困っている人たちを支援する団体などの活動に参加することもおすすめです。また、回収ボックスが設置されているコンビニもあるので、ぜひチェックしてみて。

ファミリーマート

2021年4月から始まったファミリーマートのフードドライブは、第6回の「食品ロス削減推進表彰 環境事務次官賞」を受賞しています。

開始から2022年8月までになんと、約50トン分の食品が集まりました。コンビニという身近な存在がこういった取り組みを行う意義は大きそうですよね。

フードドライブ

実際の写真

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近くのコンビニでこういうボックスを見かけると嬉しくなります

国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

「世界中の子ども達に笑顔を」をモットーに、途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う「グッドネイバーズ・ジャパン」は、1991年に韓国で設立された国際NGOです。

国内外で支援を行っているのが特徴です。

SECOND HARVEST JAPAN(セカンド ハーベスト ジャパン)

日本初のフードバンクといえば、セカンドハーベストジャパン。誰もが食にアクセスできるセーフティーネットを構築することを目指して活動しています。

食品で支援する場合は宅配で発送することもでき、またボランティアへの参加やお金での寄付も募集しています。

2019年からはボランティアなどの社会貢献活動を行うと、お金ではなく食品で受け取ることができる「marugohan(まるごはん)」をスタート。新しいスタイルのフードパントリー、つまり食品の受け渡し場所となるのです。

気になる方はそちらもチェックしてみてください。

おおさかパルコープ

「生協」でお馴染みの、生活協同組合おおさかパルコープでもフードドライブを設置。集まった食品は、地域の子ども食堂や福祉団体、施設に寄付されています。

おおさかパルコープの店舗や組合員会館にて、食品を回収しています。詳細は公式サイトにて確認してくださいね。

フードバンクとその参加方法について紹介しました。

こういう取り組みや活動があると知っているだけで、例えばコンビニに設置されているボックスに気づいたり、行動に起こすハードルが下がることにつながるかも!

まだ食べられるにもかかわらず、処分に困っている食品があるならぜひ上記のリンクや、住んでいる地域の活動を調べてみてはいかがでしょうか。

【参照】令和元年度消費者の意識に関する調査結果報告書
【参照】グラミン日本|日本における貧困の実態
【参照】海外におけるフードバンク活動の実態及び歴史的・社会的背景等に関する調査

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