ベジタリアンやヴィーガンの違いとは⁉ プラントベースな食生活の種類を知ろう

ベジタリアンとヴィーガンの違い プラントベース(菜)食

最近ではヴィーガンカフェ、プラントベースなどの言葉は、ずいぶんと見聞きする機会が増えました。

とはいえ、まだ(それってどういう意味?どう違うの?)と思っている人もいるでしょう。そんな人へ、今回はベジタリアンとヴィーガンの違いから、食生活の選択肢について掘り下げて紹介します。

【この記事でわかること】
✓ベジタリアンとヴィーガンの違い
✓菜食主義の種類と違い
✓菜食主義になる4つの理由

ベジタリアンとは

ベジタリアンとヴィーガンの違い

ベジタリアンとは肉や魚介類をはじめとする動物性食品を食べない人、広く菜食主義者を指します。

ベジタリアンと一口に言っても実際は、そこからさらに細分化しています。
つまりどこまでをOKとするかなどの程度は、人によってかなり大きく違いがあるということ。

ではベジタリアンには、どのような種類があるのでしょうか。

セミベジタリアン(フレキシタリアン)

主に菜食主義者でありつつ、肉や魚など動物性食品を意識的に減らすスタイルで、菜食のなかでももっとも始めやすいのが、セミベジタリアンかもしれません。フレキシタリアンとも呼ばれます。

付き合いでの食事が多い、またお肉は好きな人が一切の動物性食品を断つのは難しく、精神的なストレスにもなりかねません。セミベジタリアンであれば、自分のペースで徐々に菜食のレベルを深めていけるのでおすすめです。

ラクト・オボ・ベジタリアン

卵と乳製品を食べる菜食主義者のことを指します。

つまり牛乳やチーズといった乳製品や卵など動物性食品は食べられるベジタリアンのことで、欧米にはこのタイプが多いそうです。

ペスコ・ベジタリアン(ぺスタリアン、ペスキタリアン、ぺスクタリアン)

植物性食品・卵・乳製品・魚介類を食べ、肉を食べない食生活を送る人を指します。

ベジタリアンのなかでも動物性食品を食べるため、ハードルはさらに下がります。特に海に囲まれた日本で暮らすなら、美味しい魚も手に入りやすく、ときには食べたくなることもあるでしょう。

魚を食べ、肉を食べない。このスタイルなら始めやすいかもしれませんね。

オリエンタル・ベジタリアン

にんにく、にら、らっきょう、ネギ、玉ねぎという、五葷(ごくん)まで除いた菜食主義者のこと。ただ地域によって五葷の内容が少し違うこともあります。

五葷を避ける理由は、東洋医学ではこれらの野菜は香りや味など刺激が強く、内臓に負担をかけてしまうため。さらに精神的な影響も強いとされ「食べてはいけない食材」とされているのです。

特に台湾などアジア系のベジタリアンには多いようです。

フルータリアン

フルータリアンとは植物の命を重んじると言う主に思想的な理由で、果実、種子、ナッツのみを食べる食事のスタイル

植物性食品の中でも植物を殺さない食品しか摂取できないことから、ヴィーガンよりさらに厳格とされています。食べられるのはトマトやりんごなどで、食べても苗木や木自体は死なない食品に限られます。

これらは一部で、ベジタリアンのカテゴリーはほかにも存在しています。

ヴィーガンとは

ベジタリアンとヴィーガンの違い

完全菜食主義者であり、ベジタリアンのカテゴリーのひとつです。
肉や魚など動物性食品を一切摂らない植物性食品がメインの食事法で、もちろん乳製品、卵、はちみつなども食べないなど徹底しています。

ヴィーガンにもさらに2種類あり、生き物(動物)の命を尊重するために実践するエシカル・ヴィーガン、食用以外の動物性のものを必ずしも避けないダイエタリー・ヴィーガンがあります。エシカル・ヴィーガンは衣食住でも動物製品を避けるため、革製品やシルク、ウール製品なども暮らしから排除します。

ベジタリアンを選択する理由

ここで知って起きたいのは、ベジタリアンや菜食を選択するに至る理由について。

アレルギーや体調によるものから、宗教、思想によるものまでさまざまで、物理的に食べられない人と、食べないことを選んでいる人がいるということがわかります。

もちろん畜産業界が地球環境に及ぼす悪影響を理由に、肉食を避ける人が近年増えているとされていますが、それ以上にベジタリアンを選択する背景は多種多様と言えます。

宗教

日本では馴染みのない理由ですが、宗教上の理由から、肉や魚介類を食べられない場合。

たとえばヒンドゥー教では、牛が神聖な生き物とされていることから牛肉を食べることは禁じられているけれど、牛乳を飲むことは殺さないため可能です。また、豚は不浄な生き物とされ口にしない人も。またジャイナ教は、生き物を殺すことが認められていないことから、植物性食品以外を摂取することは難しいのです。

健康

菜食中心の食事は、非菜食主義者と比べて、心臓病や脳卒中、特定のがんや肥満などの慢性疾患を発症するリスクを抑えられると言われています。理由は、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取が少なく、食物繊維やビタミンなどの摂取が多くなるため。

一方で必須アミノ酸やビタミンB群、鉄分は不足しやすいため、さまざまな穀物、豆類、種子類、ナッツ、野菜をバランスよく食べることを心掛けたいですね。

菜食主義者の栄養不足がたびたび取り上げられますが、必ずしもそうではないことがデータにより示されています。

・植物性食品に切り替えることで得られる健康上のプラスの効果は、マイナスの効果よりも多い。

・ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院は、糖尿病患者が乳製品やヴィーガン食品を食べることで、良い影響があるという統計を発表。植物性食品を食べることで、2型糖尿病のリスクを3分の1まで減らす可能性がある。

・肉や乳製品を食べないようにすることで、前立腺がんのリスクを35%減らす可能性がある。

倫理

「倫理的な理由」として、人と同じ生き物を食べるために殺すことは倫理的に許されないと考える人もいるのです。

実際に、農林水産省ではアニマルウェルフェア(動物福祉)に配慮した家畜の飼養管理の普及に力をいれています。それは、家畜動物が置かれている環境が劣悪であることが問題視されていることも大きいと言えます。

海外では過激派による事件も発生しており、日本でも2019年に行われたお台場の「肉フェス」で抗議活動をしたことも。そういった過激派にはこちらの倫理的理由の人が少なくありません。

いずれにせよ食生活はその人の志向です。自らの正義をほかの人に干渉したり強要することは、果たしてどうなのでしょうか。

環境保護

The Food and Agriculture Organization (FAO) によると、世界の畜産由来の温室効果ガス排出量は、年間7.1ギガトンのCO2に相当していると言います。

これは、人為的な温室効果ガス排出量全体の14.5%に当たり、自動車や飛行機などの輸送による排出量にも匹敵するとされています。

またこれは有名な話ですが、畜産由来の排出量のうち44%を牛などのゲップから排出されるメタンガスが占めており、41%は家畜に与える飼料の生産によるものだそうです。また、飼料の生産には大量の水が必要となり、水資源の課題も挙げられています。

最後に

菜食主義の種類、ベジタリアンとヴィーガンの違いと、選択する理由についてみてみました。

大切なのは自分にとって、どの理由でどのスタイルを選ぶかを意識的に決めることだと思います。厳格だからいい、肉を食べるから悪いといった端的な話ではないからです。

食を自然環境の課題の解決に結びつけると、一気に壮大な話に聞こえるかもしれません。それならまずは自分や家族の健康のため、など自分ごとと思える理由から始めてみてはいかがでしょうか。

そして自分の体と心が心地いい選択をする、それが一番続く秘訣だと思うのです。

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