2020年版!オーガニック統計データをもとに、世界と日本の有機市場の違いを知る

世界のオーガニック エシカル-サステナブル

「日本ではなぜオーガニックが拡大しないのか」、「世界ではどうオーガニックと向き合っているのか」、「オーガニックの先進国の取り組みは」などの記事やニュースを目にすることがありませんか。

日本は小さな島国のため、なかなかほかの国を見て自分たちを振り返ったり、比べる機会も少ないかもしれませんが、世界のオーガニック統計データとともに掘り下げてみます。

最新・世界のオーガニックデータを紐解く

世界のオーガニック

2020年2月13~16日までドイツ・ニュルンベルクで開催された世界最大のオーガニック専門見本市「BIOFACH」にて、2020年版オーガニック統計データ(2018年末調べ)が公表されました。

この時点で有機農業を行っている国は、186ヶ国だそうです。

参考資料:「The World of Organic Agriculture 2020(有機農業の世界)」

有機農業取組面積

世界:7150万ヘクタール

1999年の1100万ヘクタールに比べて、かなり大幅に拡大しています。

  1. オーストラリア:3570万ヘクタール
  2. アルゼンチン:360万ヘクタール
  3. 中国:310万ヘクタール

以上が、世界でオーガニック農業に使う敷地が多い国ランキングトップ3です。なるほど、そもそも大きな土地がある国ばかりなので納得です。

オーストラリアはオーガニック商品も多く説得力がありますが、それにしてもこの一国だけで世界全体の有機農業面積の約半分を占めているのですから驚きです。

また肉食が多く野菜を食べる機会の少ないアルゼンチンが2位なのは興味深く、中国のオーガニック製品は最近大手のスーパーで多く見かけるようになったので力を入れていることがわかります。

オーガニック大国とされ、国土も大きいアメリカが入っていないのが少し意外かもしれません。

生産者数

世界:280万人

1999年の20万人からは格段に増えていますが、前年より約15万人の生産者が減少したのだそう。

  1. インド:1,149,371
  2. ウガンダ:210,352
  3. エチオピア:203,602

全世界の有機生産者の2.4人にひとりはインド人という事実。

ちなみに大陸別で見ると多い順から、約半数の47%がアジア、28%のアフリカ、欧州15%、ラテンアメリカ8%と続きます。

有機市場規模

世界:967億ユーロ

こちらも2000年の151億ユーロと比べると、かなりの伸び率です。

  1. 米国:406億ユーロ
  2. ドイツ:109億ユーロ
  3. フランス:91億ユーロ

アメリカを訪れた際、オーガニックショップや大手スーパーマーケットが点在するのを目の当たりにしているのでこれには納得。しかもアメリカは人数も多いですから規模も大きいはずです。

またドイツやフランスもオーガニック先進国のひとつと言われていますよね。全体的にヨーロッパではオーガニックが日常に馴染んでいる印象があります。

ひとり当たりの平均年間消費額

世界:12.8ユーロ

  1. スイス:312ユーロ
  2. デンマーク:312ユーロ
  3. スウェーデン:231ユーロ

世界平均と比べ、これらのトップ3位がどれほどオーガニック商品に消費しているかがわかりますね。

ちなみに農林水産省が発表した日本のひとり当たり消費額は約960円(2019年)。

平均よりやや少なく残念に感じますが、逆に考えると伸びしろがあるということ!やはりまたオーガニック商品の魅力、価値を知られていないだけで、オーガニック産業は可能性を秘めていそうですね。

最後に

世界のオーガニック市場を知るべく、「The World of Organic Agriculture 2020」からいくつか取り上げて紹介しました。

もちろん競争ではありませんし、数字にならないところで活躍されている農家さん、生産者さんもきっとたくさんいると思います。

ただこれらの数字はその国で暮らす人々の、地球や体を思う意識の高さの現れだと受け取ると、私たち日本人もその仲間入りができれば素敵だな、と思い巡らせるのでした。

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